官能評価を行うときに、どのような倫理規定を定める必要があるのか、ご質問を頂くことがあります。この記事では、どのような倫理面に注意し、官能評価を行う必要があるのかについて、解説します。
評価者の健康面に関する配慮
官能評価を実施する前に、一番に配慮しなければならないことは、評価者の健康面に対する影響です。会社の従業員、訓練を受けた評価者、一般消費者等、評価者のタイプに関わらず、テスト品の安全性を事前に確認し、テスト品の評価を行うことによって、評価者の健康に悪影響を及ぼすことがないように確認する必要があります。
例えば、食品、化粧品、パーソナルケア製品等では、拒否反応引き起こす物質が含まれていないか、そして評価者の特定物質に対するアレルギー等を確認し、事前に有害事象(テスト品の評価によるケガや病気等)を避ける必要があります。
万が一、有害事象が起こった時の対処方法を決めておくと、素早く対応することができます。もちろん、有害事象が起こらないのが一番ですが、万が一の場合に備えることも大切です。
評価者への公平な対応
例えば、試作品を低く評価した評価者に対し、評価の仕方を批判するケースがあります。評価者の試作品の評価に関わらず、評価者には公平に対応することが重要です。評価結果を共有する場合は、一般的に評価者がテスト品の評価によって不当な対応を受けないように、評価者個人が特定されない形で共有します。
また、訓練を受けた評価者を選ぶときには、公平に評価者を選定する必要があります。特に、様々な民族の人々が共存する海外で官能評価を行う場合、人種等によって不公平な評価者の選定にならないように、気をつける必要があります。
個人情報の取り扱いに関する規定
評価者の個人情報は、必要最低限の内容のみ入手・管理することが大切です。また、万が一の情報漏洩に備え、情報漏洩した際の手順書も作成すると良いでしょう。
評価の中立性・客観性
評価結果は、プロジェクトの意向を受けて変えず、評価を尊重することが大切です。評価データに疑問が生じる場合は、評価の再度実施だけではなく、評価環境やテスト品等、多方面から原因を追求してみましょう。
官能評価の倫理規定を設定したい等、ご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。