事業活動に使うために – インタビュー調査結果のまとめ方・見せ方

Tips for interviewing

インタビュー調査は、内容の濃い顧客インサイトを見つけてくれる便利な方法です。しかしながら、顧客インタビューの後の結果のまとめ方に頭を悩ませている人によく出会います。

今回のブログでは、商品やサービスに活用するためのインタビュー結果のまとめ方・見せ方のポイントをお話します。

インタビュー調査のとらえ方:準備

インタビュー結果のまとめ方をお話する前に、インタビュー調査の設計について少し触れておきます。

♦活用できるために – インタビュー調査から伝えたいメッセージを意識

「顧客調査を始める前に -大切な調査の企画設計」でお伝えしたように、まず調査を行う前に情報を何に活用するかを決めておくことが大切です。そして、情報をうまく活用するために設計から結果報告まで、「インタビュー調査から何を伝えいたいか」を常に意識してみてください。

♦コンテンツの幅と深み

次にインタビュー調査の設計で気をつけておきたいことは、インタビューで「網羅するコンテンツの幅と情報の深み」です。

  • ターゲットの幅たとえば、「コア」のターゲット顧客のペルソナが24歳の目黒区在住の女性とすると、インタビュー対象者を20歳~25歳の年齢幅としたり、東京都内在住の女性に設定等、インタビュー対象者の条件に幅を持たせます。
  • 顧客体験の幅:また、インタビューで聞く内容も、特定の商品やサービスだけに集中せずに商品やサービス回りの経験を聞く等、幅を持たせることによって、顧客体験の全体像が見えるようになります。
  • インタビューの深み:対象者の発言だけにとどまらず、対象者が言った真意やその背景を理解することで、発言だけに振り回されるのを避けることができます。

インタビューする対象者のペルソナとインタビュー内容が「点」情報にならないように、調査設計のときに対象者のリクルートやインタビュー項目を整理しておくと、後で慌てずに済みます。

インタビュー結果のとらえ方:まとめる – 伝えたい結論と裏付け情報

次に、インタビューを全て終えた後のまとめ方ですが、インタビューの素材(インタビューのテープ、メモ、記憶等)を結集してポイントとなる内容を拾い上げ、調査目的に対して結論となる「伝えたいこと」を導きます。そして、結論を裏付ける客観的な内容(発言、イメージ等)を並べていきます。

まとめるときの注意点

インタビュー調査の結果をまとめる作業には、いくつか注意が必要です。以下、主な注意点を3つか挙げてみました。

  • 倫理性:事実を曲げない
  • 客観性:まとめた内容が主観的にならないように多方面から(できれば複数の眼で)確認
  • 調査目的への忠実性:調査目的から離れるけれども大切・面白い内容は別まとめへ

また、結論を引き出す際に、矛盾する点・内容はないかを確認することも大切です。

インタビュー調査結果の見せ方:読み手が直接・直感的にわかるように

インタビュー調査結果のまとめは、以前、コンテンツ分析として発言記録から主要な内容を抜粋することが主流でした。報告書は文書記録にはなりますが、報告書を読み込むのに時間がかかり、インタビューの雰囲気などを読み取るには限界があります。

現在は、読み込む時間がかかる報告書から視覚的にわかりやすいピジュアルを多く使った報告や顧客インタビュービデオ等を使う流れに変わってきています。つまり、インタビュー現場にいなかった人にも直接・直感的にインタビュー調査の内容がわかるような工夫がされています

インタビュー調査の結果をまとめる作業は大変ですが、まとめ作業によって、内容を振り返ることができますし、新たな発見にもつながります。ぜひ、インタビュー調査結果を次への活動に有効利用して頂きたいと思います。

次回は今月最後、「顧客調査の意義」についてお話します。

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