新規に市場に参入したり、新商品やサービスを市場に出す前に、市場規模を確認しておくことは重要です。もちろん、実際の新商品やサービスの市場規模は、商品やサービスを発売してみないとわかりませんが、発売前に市場規模をチェックすることで、これから発売しようとする新商品やサービスがどの程度の規模のものか、そしてどの程度の投資(ヒト・モノ・カネ)が必要なのかを把握でき、新商品やサービスを出す具体的な準備がしやすくなります。
TAM、SAM、SOM
市場規模というと、TAM、SAM、SOMという三つの英語の略語が出てきます。以下の表は、それぞれの意味を簡単にまとめています。
TAM | SAM | SOM |
Total Available Market提供する商品・サービスの需要がある市場の規模 | Servicable Available Market需要がある市場の中で、特にターゲットとしているセグメントの市場規模 | Servicable Obtainable Market市場セグメントの中で、自社が獲得(占有)できると想定される市場規模 |
例:オンライン英会話教室の市場規模 | 例:社会人をターゲットとしたオンラインビジネス英会話教室の市場規模 | 例:A会社(自社)が獲得可能と想定されるオンラインビジネス英会話教室の市場規模 |
よくある疑問
♦TAM、SAM、SOMすべてを調べる必要があるのか
→結論から言えば、すべて調べる意義があると言えます。SOMに対して、SAM(ターゲットとするセグメント市場)のうち、占有するSOM(獲得する市場)からスタートして、今後どのようにSAM(ターゲットとするセグメント市場)で獲得する市場を拡大していき、またTAMの中の新しいターゲットをどのように広げていくか、戦略を立てるのに役に立ちます。
♦市場規模を調べずに、いきなり商品やサービスを市場に出して、お客さまからフィードバックをいただくだけでいいのではないか。
→小規模で始めるには、まず商品やサービスを市場に出し、お客様からフィードバックをもらい、改善していくアプローチが有効だと言えます。しかしながら、いずれビジネスの規模を拡大するステージになれば、必要なヒト・カネ・モノの資源を集める上でも、市場規模を調べておく必要があります。
もちろん、市場規模はあくまでも見積もりですので、必ずしも商品やサービスを実際に販売した実績と合致するとは限りません。少なくとも、市場に商品やサービスを出す準備のためと考えておいた方がいいでしょう。
次回のブログでは、TAM、SAM、SOMのリサーチ方法についてお話します。