ペルソナ作りと顧客調査のコツ

顧客調査によるペルソナ作り by Japan Direct Researchのブログ

顧客ペルソナ(Persona)をつくることは、商品やサービスを提供する側が、「顧客目線」でお客様の困っていることや商品やサービスの受け止められ方を理解するのに役に立ちます。今回は、そのペルソナ作りと顧客調査のコツについて、お話しします。

ペルソナ – 顧客集団から「個」客へのシフト

広辞苑によると、ペルソナとはラテン語のpersonaから由来し、人格を意味します。ペルソナがマーケティングで重要視される前は、セグメンテーションとして、市場の中でターゲットグループを見つけ出すことが主流でした。しかしながら、顧客のニーズや行動は多様化してきており、ターゲットグループからさらに踏み込んで、「個」客の像をはっきりさせることによって、顧客視点で商品やサービスを提供することが重要になってきています。

ペルソナで全方位的に商品やサービスのベクトル合わせ

ペルソナ作りの大きなメリットのひとつが、顧客の視点でいつ、どこで、何を、どのように提供したら良いのか、商品やサービスの方向が定めやすくなることです。つまり、そのペルソナ向けて、商品設計、マーケティング、販売チャネル等、社内のリソースの方向を合わせることができます。

《女性用インナー商品の例》ペルソナは、27歳の東京都世田谷区に住む独身女性A子さん。A子さんは、仕事でもプライベートでも外に出歩くことが多いため、動きやすいパンツスタイルが多い。ショッピングは、スマホで情報をゲットして、店頭でチェックし、安く買えるECサイトで購入。この場合のA子さんに向けたインナー商品は、パンツスタイルでも目立たない薄い・伸縮性のある素材で、色も目立たいもので、店舗とECサイトで販売。

上記は、あくまで簡単にまとめた例で、さらに詳しい情報を加えることによって、より顧客ペルソナが現実像としてはっきりし、提供する商品やサービスの内容や提供方法なども具体的に見えてきます。

顧客ペルソナ作りのポイント

ペルソナ作りのための顧客調査の方法は、英語で”Create persona” 等のキーワードで検索すると、たくさん情報が出てきます。ペルソナ作りには、決まったプロセスがあるわけではありませんが、ご参考までに、以下がおおまかなペルソナ作りの流れになります。

  1. ペルソナテンプレートの作成:まず、収集した情報を入れる用紙として、テンプレートをPersona example準備します。テンプレートは、インターネットで検索すると、様々な様式のものが見つかりますので、事例も含めて参考にして、最適な書式のものを作ってみてください。
  2. セカンダリーデータの収集と仮説ペルソナ作り:次に、統計データ、過去の調査報告書等から、仮説のペルソナを作っていきます。このステップは、顧客インタビューの準備として、対象者を絞り込むのにも役に立ちます。そして、ざっくりと仮説の顧客ペルソナを作ります。
  3. 顧客インタビュー調査:リクルートした対象者にインタビューをします。このステップでは、対象者のことばだけではなく、雰囲気、表情や声等を感じ取ることも重要ですので、個別面接によるインタビューをお勧めします。
  4. 内容分析とペルソナ作成:インタビューで得られた内容をまとめ、複数の顧客ペルソナを作成します。

以下、ペルソナ作りにおいての顧客インタビュー調査と分析のポイントを挙げてみました。

  • 複数のペルソナ:個別面接インタビュー調査から、3 – 5名のターゲット顧客のペルソナができることが望ましい。3 – 5名の顧客ペルソナができることで、商品やサービスが1名のペルソナのためだけではなく、ターゲット顧客層にふくらみあることが確認できる。
  • ターゲットにならない場合からも学び:リクルートした対象者が必ずしもターゲット「顧客」とは限らない場合⇒ターゲット顧客ではない場合でも、なぜターゲットにならないのか、という理由をインタビューで探り出す。
  • 同心円的に情報収集:商品やサービスの商品やサービスのみに絞った「点」情報を取るのではなく、商品やサービスに関わる顧客経験(カスタマーエクスペリエンス)から、ユーザーが抱える問題を浮き彫りにする。
  • 複数の眼で情報を観る:客観的な分析のために、インタビューを記録(事前許可を得てビデオや声の録画・録音)したり、できればチームメンバー等の複数の眼で分析。

活きた顧客像としてペルソナ更新

ペルソナは、1回作れば終わりというわけではなく、活きた顧客像として活用し続けるためには、更新し続ける必要があります。更新するタイミングとして、例えばビジネスの方向転換や商品・サービスの変更等があります。

市場規模を算出するには:ペルソナからセグメンテーションへ

以前のブログで紹介したSOM(Servicable Obtainable Market:市場セグメントの中で、自社が獲得できると想定される市場規模)を算出するには、セグメントの規模を測る必要があります。一般的には、ペルソナの情報をもとに量的(定量)調査を行い、ターゲットとなる顧客層の規模を調べます。

ペルソナは、そもそもセグメンテーションの進化として生まれたのですが、ターゲット規模を把握するには、数値情報として顧客セグメントを把握することは重要で、ペルソナとセグメンテーションを繋げて活用してみてください。

次回は、コンテクストと顧客調査について、お話します。