顧客リサーチのユーザビリティ:リサーチユーザー編

Usability

前回、リサーチのユーザビティの中でも、回答者のユーザビティのお話をしました。今回は、顧客リサーチ情報を使うユーザーのユーザビリティについてお話します。

顧客リサーチを行う目的と用途は様々

顧客リサーチは、顧客の行動や意識を理解するために行われますし、これから市場に出す商品やサービスの意見を聞く場合、市場に出した商品やサービスの意見を聞く場合もあります。また、顧客リサーチ結果の用途と言えば、新規プロジェクト発足のこともありますし、商品やサービスの改善、商品やサービスの上市(市場に商品またはサービスを出すかどうか)の意思決定、商品の謳い文句の裏付け(例えば、〇〇%の女性が効果を実感した)に使う場合もあります。

リサーチのユーザビリティをユーザビリティの要素に当てはめてみると

  • Learnability: 顧客リサーチ結果の内容がわかりやすいかどうか。何か発見があるかどうか。
  • Efficiency: アクション(意思決定や次のステップへの行動など)を起こしやすいリサーチ結果か。
  • Memorability:しばらく経った後に結果を見ても印象に残る結果か。結果の解釈にブレはないか。
  • Errors: リサーチ結果を間違って解釈することはないか。
  • Satisfaction:リサーチを行ったことへの満足度は高いかどうか。

上記の要素を踏まえると、ユーザビリティの高い顧客リサーチには、内容がわかりやすく、ミスなく信頼性・妥当性が高いアプトプットで、次のアクションを取りやすく、リサーチ結果を間違って解釈することなく、満足度の高いことが重要だと言えます。

リサーチユーザーの状況変化とユーザビリティ

とはいっても、最初に調査設計をしっかりしていても、ユーザーの状況が変わることで、リサーチのユーザビリティが変わる場合もあります。例えば、アンケート調査を実施している最中にビジネスの矛先が変わり、リサーチの目的や顧客から知りたい内容が変わることがあります。また、リサーチ結果を使わなかったり、当初想定していた結果のアウトプットとは違ったアウトプット形式を求められることもあるでしょう。

では、このような状況の中でも、活用できる顧客リサーチを行うためにはどうすればいいのでしょうか。

顧客リサーチ情報のエンドユーザーを把握

顧客リサーチのユーザビリティを高めるためには、1) 最終的に、誰(組織や人)に顧客リサーチ情報を伝えるのか、2) 何をどのような伝え方をすれば内容が伝わるのか、そして、3)顧客リサーチ情報を伝える相手(組織や人)の周りの状況はどのようなものなのか、を把握しておく必要があります。

例えば、新規事業のプロジェクトチームが顧客リサーチ情報をプロジェクトの予算承認のために顧客リサーチ情報を伝える必要がある場合、予算の承認者に何をどのような形で伝えると伝わりやすいかを事前に把握しておけば、調査のやり直しや結果のまとめ直しということも避けられます。特に動きが激しいビジネスの場合は、あらかじめ、リサーチにスピードと柔軟性が求められることが多いことにも気を付けておくと良いと思います。

顧客リサーチはビジネスのしくみのひとつ

顧客リサーチは、リサーチを行なって終わりではなく、またリサーチ結果を得て終わりでもなく、その先にどのようなアクションを起こすか、を見据えることが大切だと思います。顧客リサーチのユーザビリティを高め、ぜひビジネスに活用できる顧客リサーチを実践して行きませんか?

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