センサリーパネルのリクルートと選定

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昨年のブログ記事では、人の感覚を「ものさし」として評価を行う方法として、センサリー評価(日本語では官能評価)を取り上げました。一般的に、官能評価の評価者は、一定の条件を満たす(違いを識別できるかどうかなど)人を選び、評価を行うことも書きました。

今回は、海外でよく行われている記述分析法(Descriptive Analysis)の評価者のリクルートと評価者の選定について取り上げます。

リクルート方法は様々

一般的に、評価候補者は一般消費者の中からリクルートします。このセンサリー評価の評価者候補のリクルート方法は様々です。リクルート専門の調査会社に依頼したり、新聞やウェブサイトで募集広告を出したり、口コミや紹介で評価者候補を集めます。通常、大人数の評価者候補を集め、その中から条件を満たす人を選びます。

センサリー評価の評価者の選定基準

リクルートした候補者の中から、センサリー評価の評価者の選定し、訓練するわけですが、選定条件は、主には以下のポイントとなります。

  • 識別力:製品の違いがわかるかどうか
  • 表現力:製品の特徴を口頭と記述で表すことができるかどうか
  • 客観性:製品の特徴を主観的な偏りなく、客観的に捉えることができるかどうか
  • 責任感:決められた訓練に参加し、訓練完了後も与えられた評価業務を責任を持って行うことができるかどうか
  • 興味:製品および製品評価に興味をもっているかどうか

製品の違いや製品特徴の識別力や表現力は、訓練で高まっていきますが、訓練の期間を最短にするために、ある程度の識別力や表現力を持つ人を選ぶ傾向があります。

ただ、評価者の選定条件は、厳しすぎると選定に残る人数は非常に限られますし、緩すぎると、評価訓練が難航する問題が出てきます。中には、最初は製品特徴の表現力が高くなかったけれども、訓練で飛躍的に表現力と識別力が伸びる方もいます。最終的には、この人なら将来センサリー評価をお願いできる、という判断になると思います。

センサリーパネルのメリット

センサリーパネルを運営することは様々な点で大変ですが、センサリー評価を通じて一般消費者よりも深く客観的に、ひとが感じる製品特徴を知ることができます。また、センサリー評価者の方々とは、1回きりではなく、専門的なコミュニティとして、持続的なお付き合いができることもメリットといえると思います。

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