リサーチのユーザビリティ:回答者編

user experience

商品やサービスのユーザビリティをテストするために、よくリサーチが行われますが、リサーチ自体のユーザビリティも質の高い結果を得るためには重要なことです。

リサーチのユーザビリティと言えば、大きくは2つの視点:一つは、回答者にとってのユーザビリティ(回答しやすいかどうか)、もう一つはリサーチ結果を使う側にとってのユーザビリティです。今回は、回答者側のユーザビリティにポイントを置いてお話します。

ユーザビリティ(Usability)とは

日本語にすると、ユーザビリティ「使いやすさ」ということになりますが、使いやすさにも様々な要素が含まれています。ユーザビリティの第一人者のJacob Nielsen氏のユーザビリティ101によれば、ユーザビリティには以下5つの質的要素が含まれています。

  • Learnability(学習のしやすさ):使い始めたときでもいかに簡単にタスクをこなすことができるか
  • Efficiency(効率):使い始めてからどれだけ早くタスクをこなすことができるか
  • Memorability(記憶しやすさ):しばらく使っていなくても、すぐ再開してタスクを行うことができる
  • Errors(間違い):どれだけのエラーがあったか。また、エラーからどれだけ簡単に回復できたか
  • Satisfaction(満足度):使い勝手は心地よいものかどうか

リサーチも回答者の視点で

顧客リサーチは、主に商品やサービスなどの顧客ニーズを知ったり、顧客からフィードバックをもらう目的で行いますが、重要な顧客との接点です。そう考えてみると、顧客リサーチでどのようにお客様から意見をもらうかも重要なポイントです。

例えば、顧客リサーチということで、自宅でほとんどパソコンを開く時間がない会社員に、パソコン画面のみで回答するアンケートを送っても、なかなかアンケート結果を集めることができません。また、できるだけ対象者の意見を聞きたいということで、アンケートで100問の質問聞いたところで、回答する方も最後の方は疲れてしまいます。曖昧に回答するケースもあるでしょうし、アンケートを答えた経験も良くないものでしょう。アンケートにしても、間違いが少なく、顧客の意見を漏れなく取れることで、質の高いリサーチの結果を得ることができます。

リサーチモニターのモニターの方々もお客様

顧客ニーズを聞いたり、商品やサービスを聞く場合、調査会社にリクルートからインタビューやアンケートを委託することもあると思います。そして、調査会社がリクルートする人々は、主にはリサーチモニターとして登録しているケースが多いかと思います。よく考えてみると、モニター登録している人々も将来的に商品やサービスを購入し、使うお客様の可能性があります。つまり、どのような形であれば、調査に応じ、どのような形で聞けば的確に商品やサービス等の意見を聞くことができるか、という点も重要な将来のお客様情報と言えます。

リサーチというプロセスも顧客経験・行動の情報源

リサーチはリサーチ会社やリサーチ担当部署にお任せというケースもあるかと思います。リサーチ結果だけを見る場合もあるでしょう。しかしながら、リサーチ対象者のリクルートから意見を聞くプロセスも商品やサービスの伝え方のヒントになることも多々あります。一つの例が、対象者をリクルートするときの方法です。対象者の条件を決めて調査の参加依頼をする代わりに、広告のようなキーフレーズ等を出して、興味を持った人にさらに商品のパッケージについて聞く、というプロセスです。

もちろん、調査会社のモニターにリサーチを行う場合は、個人情報の取り扱い等で見ることができない部分もあるかもしれません。ただ、顧客からのフィードバックが得やすいパターン等がわかれば、商品やサービスを市場に出した後でも顧客フィールドワークによる商品やサービスの改善・進化に役立てることができます。

予算の関係上、調査会社に依頼せず、自力で顧客インタビューを行わなければならない場合もあるかと思います。そのような場合も、調査結果だけを求めるのではなく、どのようなアプローチであればインタビューに応じやすいか、どのような聞き方であれば本音を語れるか等のユーザビリティにも注意を払ってみてください。それらの情報も顧客視点の商品やサービスを展開する上で役に立つと思います。