ユーザーのペルソナ調査とジョハリの窓

Unknown person

ユーザーのペルソナ(人物像)を設定するために、ユーザーに直接インタビューしたり、アンケート調査を行ったり等、様々な調査が行われます。ユーザーへのインタビューやアンケート調査等をコミュニケーション手段だと考えると、ユーザーがどれだけ情報を開示してくれるのか、また、ユーザー自身が気づかないユーザーを特徴づける情報があるのかどうか等も調べておく必要があります。

人と人とのコミュニケーションといえば、「ジョハリの窓」というモデルがあります。今回は、ジョハリの窓のモデルに重ねて、ユーザーペルソナに関する様々な調査アプローチを取り上げて行きます。

「ジョハリの窓」とは

ジョハリの窓(Johari Window)とは、心理学者のジョゼフ・ルフト(Joseph Luft)とハリー・インガム(Harrington Ingham)が1955年に発表した対人コミュニケーションの気づきについて表したモデルです。この「ジョハリの窓」モデルは、人事分野でコミュニケーションの自己分析や人材開発研修などによく用いられています。ちなみに、ジョハリという名前は、二人の心理学者の名前:JoとHarryから由来しているということです。

ジョハリの窓モデルは、「自分が知っているかどうか」という自己認識の軸と「他の人は自分のことを知っているかどうか」の他者の視点の軸から、上記のように4種類の窓で表されます。

ユーザー調査とジョハリの窓

ユーザー調査をジョハリの窓に重ねてみると、ユーザーが気づいていることは、ユーザー自身が伝えることができます。つまり、「ユーザーの開かれた窓」の情報は、ユーザー自身がアンケート等で聞かれた時にオープンに伝えることができます。また、特に自分は知っているが、他の人は知らないユーザー自身の「隠された窓」の情報については、デプスインタビュー等でユーザーの深層心理を掘り下げることで、ユーザーから知ることができます。一方で、ユーザー自身が気づかないこと、すなわちユーザーの「盲点の窓」情報は、ユーザーの周りの人のフィードバックやユーザー行動の観察などで知ることができます。

では、ユーザーもユーザーの周りの人も知らない「ユーザーの未知の窓」については、どのように対応すればいいでしょうか。

可能性を秘めている「未知の窓」への仕掛け

一つには、ユーザーの「未知の窓」に対して様々な仕掛けをすることで、ユーザーが今まで気づかなかった強みを発見したり、可能性や充実感を味わうことができるのではないでしょうか。例えば、IT音痴だと思い込んでいた人が、プログラミング学習のアプリを試しに使って見たところ、実はプログラミングが得意だということを発見することがあります。また、プログラミングのコミュニティに参加したところ、他の人からの指摘で自分自身の得意分野を気づくこともあります。そして、プログラミングが楽しくなると、学んだことをSNSに積極的に発信することも起こるでしょう。

このように、「未知の窓」への仕掛けを通じて、ユーザーが新しい経験をしたり、またユーザーが今まで気づかなかった自分自身の強みを発見し、より充実感のある生活を送るようになることもあります。

この「未知の窓」への仕掛けは、もちろんリサーチの手法として仕掛けることもできますが、市場で新しい商品やサービスとして仕掛けたり、マーケティングコミュニケーションとして、ユーザーの「未知の窓」を「開かれた窓」へと導くことも可能だと思います。